AFTER STORY


今回の『村となり』は、石川県の白峰という地域が舞台となっています。
白峰の方々は、我々には想像もつかないほどに、自然と共に生きていました。
春には山菜を採り、夏にはイワナを釣り、秋にはキノコを食べ、冬には3mにもなる大雪を平然と制している。
ただ、そんなものは彼らにとっては当たり前のことで、山に行けばスーパーより新鮮な野菜が採れるし、害獣として駆除した熊やイノシシを、当然のように食べる。
小学生でも平然と、1人で渓流でルアー釣りが出来るし、大人の男は全員屋根に上って雪を下すことができる。
そして地面に落とした雪で子供が雪だるまやかまくらを作って遊ぶ。

狩猟本能に基づき、自分が食べられるか否かに関わらず、ひたすらに山菜を採り、イワナを釣る。
それを誇らしそうに、また少し照れながら「採りすぎたから」と、ご近所さんへ配ることで、関心や感謝の気持ちを伝えている。

雄大な自然を片手に、野生の生と、人工のコミュニティを満喫している。

自然の恵みを…なんて生ぬるいものではない。
ここの土地の人は、「自然を守ろう」などと誰一人言わない。
自然の圧倒的な力を、心の底から知っているから。
徹底的に自然を利用し、自然を分け合っている。

自然の中で暮らすことで、自然を当然に享受し、人間が開拓することで、自然を活かしているとも言える。
山と人間が共にあるその姿は、山の民ですらない、『山の神』なのだと感じた。

今回の写真展では、
そんな白峰の方々の心の風景や生き方を、形にしました。

『あなた達は山の神』そう言ったときに、胸を張った彼らがあまりにも愛おしかった。
そんな『村となり』を、色んな地域で渡していけたらと思う。

ご来場誠にありがとうございました。
始まったばかりのこの『村となり』プロジェクトを、見守っていただけたら幸いです。

これから、写真を初めとして、いろんな形で、色んな村の「村となり」を見つけていきます。
総合演出/プロデュース  舘そらみ
撮影  大橋 翔
美術  坂本 遼
ランドスケープデザイン  吉田 葵
ディレクター  永井俊朗
運営  空とロックンロール
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